2018年10月の最低賃金引き上げは過去最高額の見込み!飲食店に必要な対応は?

NO IMAGE
飲食店.COM様に寄稿した記事です。
https://www.inshokuten.com/recruit/knowledge/trend/detail/265

厚生労働省が平成30年7月26日に発表した「平成30年度地域別最低賃金額改定の目安について」によると、7月に開催された中央最低賃金審議会において、地域別最低賃金額改定の目安が決定。引上げ額の全国加重平均は26円と、昨年に続き過去最高になる見通しです。今回は2018年における最低賃金引き上げに対して、飲食店としてどのような対策が必要なのかをご紹介します。

平成30年度は東京・大阪・愛知などの主要都市で「27円アップ」の見込み

29年度の26円アップを上回り、過去最高の引き上げ額となりそうです。また、最低賃金引き上げ額の全国加重平均は26円(昨年は25円)と、こちらも過去最高の数値です。

今回の目安通り改定が進めば、最低賃金は東京で985円、大阪では936円となる見込となります。全国平均で毎年20円以上、引き上げ率に換算すると毎年3%以上引き上げられており、来年度にはいよいよ東京の最低賃金は1,000円を超える計算になります。

給与を提示する際の注意点

それでは、最低賃金が改正された後は、どのような対応をすれば良いのでしょうか。「時給」で提示する場合は、最低賃金以上の金額を示せばよいので問題ありませんが、月給で提示する場合には注意が必要です。月給の金額を1ヶ月の労働時間で割って、時間給に換算して確認することが大切です。

例えば、月給17万円で労働時間が168時間の場合、170,000÷168=1011.9になりますので、最低賃金はクリアしている計算となります。月給16万円で労働時間が168時間の場合は、160,000÷168=952.4となり最低賃金を下回りますので、賃金や労働時間の見直しが必要となるわけです。

仮に最低賃金以上の給与を支払わなかった場合、最低賃金法に罰則(50万円以下の罰金)が定められており、差額を支払う義務もありますので注意しましょう。

人件費が上がる場合の対策

最低賃金が上がれば、当然人件費も上がる可能性があります。もし売上が現状維持であれば、人件費率が上昇し、利益が圧迫されることになってしまいます。飲食店経営者としてどのような対策をすればよいのか考えてみましょう。

オペレーションを見直す

一つめはオペレーションの見直しです。例えば、メニューブックをあらかじめテーブルに置いておく、お水をセルフサービスにすることなどで、スタッフの動きが少なくなり、長期的に見ると人件費は下がるといわれています。単純にスタッフの人数を減らしてしまうだけでは、サービス自体の低下に繋がるため、まずは小さなオペレーションの見直しから進めてみましょう。

効率化できる道具を取り入れる

POSレジ、シフトや在庫管理のシステムなどを導入することで、店長業務の効率化をはかるのも一案です。店長の事務や雑務を減らせば、販促活動に注力する時間を増やすことができます。顧客管理システムの導入などが対象となる「業務改善助成金」、複数税率対応レジ導入が対象となる「軽減税率対策補助金」などを検討してみるとよいでしょう。

人件費率を下げたい場合には、これまでの売上データなどを元に混雑しやすい時間帯や曜日などを今一度分析し、無駄のないシフトづくりに取り組んでみましょう。売れていないメニューを整理して、仕込み時間の削減などをするのもおすすめです。

人件費は上がることはデメリットに感じますが、これを機会に経営を見直すことができれば決してマイナスばかりではありません。お店のあらゆる箇所に目を向けて、効率化やコスト削減をできるものはないか、また、接客マニュアルの見直しやモチベーションの管理など全体的な職場環境の見直しを検討してはいかがでしょうか。

カフェ・喫茶店を開業したい方、開業準備中の方へ

CTA-IMAGE 当サイト[CAFESEMI]を運営するカフェの専門家・大槻洋次郎によるDVD「カフェオーナーから学べる開業講座」を販売しております。 ・本格開業講座の4時間のDVD教材 ・冊子版テキスト(PDFデータ付き) ・初級者向け「カフェ開業セミナー」動画(220分) ・その他合計約10時間もの特典動画及び音声(随時追加) など盛りだくさん! 2010年から売れ続けているロングラン&最新ノウハウの融合教材です。

ニュースカテゴリの最新記事